日常やサイトのこと。
05/12
2025
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
05/06
2014
午後からゲリラ豪雨の恐れあり、という天気予報は果たして当たった。
分厚い雲がかかってきたと思ったら、ゴロゴロと雷鳴が、そしてバケツをひっくり返したような豪雨だ。
このところ夏の雨というと、夕立のような趣のあるものではなく、こういう不意打しかないのが困る。
「雨が降ってきたぞぉっ!」
狭い商店街に、八百屋の息子の声が響く。軒を連ねる家々の窓を閉める音、「早く入りなさい」と庭で遊ぶ子供を急かす母親の声、洗濯物を取り込む、慌てた老婆の姿が豪雨に入り混じる。
文太は東の雨戸だけを閉め、店の明かりを強くした。
こんな雨では止むまで客は来ないだろう。
(降りやんだら割引にしねえと……)
どうせやむのはいつものごとく閉店間際だろう。
割引のシールはまだあっただろうか、と店の商品を片付け、二階に上がりかけた。
「すみません」
若い、男の声がした。
「はい……あぁ、あんたか……」
すわ客かと店に戻ると、店の客ではないが来客が濡れ鼠になっていた。
「こんにちは、藤原さん」
恐らくは拓海を訪ねてきたのだろう、高橋涼介が、頭のてっぺんから足の先までずぶぬれになっていた。
「悪いな、今日は拓海は出かけてんだ」
「そうだったんですか、ハチロクがないからそんな気はしたんですが……」
恐らくはプロジェクトDの件で拓海に用があって来たのだろう。
だがあいにく、拓海は友人立ちと遊ぶからと出かけてしまっていた。
「藤原の携帯は鳴らしてみたんですが返事もなかったんで」
「ああ、悪いな……それよりずぶ濡れじゃねえか。ほら、上がって」
「あ、でも」
「そのままじゃ風邪ひくだろ」
「すみません、じゃあ」
ずぶ濡れの涼介をそのまま返すのも悪い気がして、文太は彼を家に上げた。
時間は、と尋ねると、今日は大丈夫ですと返事が返ってきて安心した。
タオルで拭いてなんとなかる濡れ具合ではなかった。だから、風呂を使うように言った。
その間に服は乾かしておくから、と。
風呂場から水音がしている。
(ったく、仕方ねえなあうちの拓海は……)
休みの日なのだから涼介から連絡があるのはわかりきっているのに、どうしてすぐ連絡が取れるようにしておかないのか。まだまだ学生気分が抜けきっていないようだ。
居間にアイロン台を出して涼介の服をプレスしていく。
シャツもスラックスも、とりあえず半分以上は乾いた。
ハンガーにつるして鴨居に掛け、それから扇風機をそちらに向けた。少し時間はかかるが、乾燥機のないこの家ではこれが最善の方法だ。
「上がったらなんか着てもらうか……」
拓海の服も自分の服もサイズは合わなさそうだが、ジャージやTシャツくらいなら、服が乾く短い間なら我慢してもらえるだろうと思った。
(いや……それにしたって)
アイロンのスイッチを切って、はたと気づいた。
随分といいタイミングだと。
(……まさか、な)
一瞬頭をよぎった推理に、苦笑する。幾らなんでも、自分を過大評価しすぎだろうと。
手持ちの服の中で一番サイズが大きいTシャツとハーフパンツを手に、文太はバスルームの前に立った。
「高橋君、とりあえず服が乾くまでの着替えを……」
返事がない。
「高橋君」
もう一度声をかけたが、やはり、ない。
文太ははっとした。
水音がしていない。
体を洗っているような気配も、湯船につかっているようなそれもない。
すわ倒れたか、と慌てて折れ戸を開けると、夏の熱気そのままの湯気が吹き出してきて、その向こうに、涼介がいた。
こちらを向いて、立っていた。
「……返事くらい、してくれよ」
倒れていなかった。
ほっとして思わず文太の顔がほころんだが……さっき頭をよぎった推理が、また、浮かんできた。
涼介は前も隠さず、文太の方を向いて、赤い顔をして立っていた。
「藤原さん」
「……何だ」
「今日、どうして来たか、わかりますか」
「……拓海に用があったんだろう」
「ええ、一応は」
「どうしてそんなことを聞くんだ」
ああ。
さっき頭をよぎった推理は、間違っていなかったのだと文太は確信した。
拓海ではない。
彼は自分に会いに来たのだと。
わざわざ雨の時間を選んで。
そして自分に家に上げてもらうために。
裸になるために。
「オレ、あなたに会いにいたんです……本当は……それで、」
「高橋君、」
「藤原さん、」
涼介が歩んだ。
文太の前に。
濡れた前髪からぼたぼたと滴をたらしながら。
「雨に濡れたら、こうできると思ったんです」
濡れて温まった腕を文太の首に回した涼介は、耳元で、好きです、と言った。
あの推理は間違っていなかったのだ。
涼介の股間は青天井、という言葉がふさわしいほどに勃起していた。
それが文太の腹に押し当てられた。
求められて悪い気がしないのは、自分にもその傾向があるということだ。
折れ戸は再び閉められた。
ただし今度は、文太も服を脱いで、バスルームに入った。
「ずっとこんなんで車ン中で待ってたのか?」
膝の上に載せた涼介のシャフトを握ってやると、涼介は頬を真っ赤にしてこくんとうなずいた。
「今日は、藤原がいないのはわかっていて……でもあなたは店にいると思ったから……」
「雨になるのを待ってた、ってわけか」
「はい……」
強く扱いてやると、涼介は「あ、っ」と艶めいた声で鳴いた。
冷たいタイルに四つん這いにさせた涼介に覆いかぶさり、未知の快楽に怯える蕾を指先で探し当て、ローションを塗り込んでやる。
「ッ、あ、ッ……藤原、さん……」
それだけでもう腹につくほどのシャフトからはぼたぼたと先走りが垂れる。
涼介の若さに苦笑しながらも、文太は、外の雨音が強くなったのを感じた。
「声ならちょっとくらい出したって平気だ。隣のばあさんは耳が遠いし……雨もあの通りだ」
「あ、はい……ッ」
男なんて抱くのは独身の頃以来だと断りを入れ、涼介に後ろから押し入り、抱え込む。
「ひ、ぁぁっ……! 奥っ、奥に…ッ」
いきなり一番奥まで貫かれ、涼介の声が泣きそうなものに変わる。
「ああ、じゃなきゃ気持ちよくなんかねえだろ」
雨音に、二人の声はかき消される。
子供に小水をさせるときのように膝の上で抱えられ、上下に揺さぶられる涼介は、喘ぎとも悲鳴とも判別のつかない声を上げ、そして、来た時と変わらぬずぶ濡れのまま、満足げだった。
「藤原、さんっ……! あぁぅ、あ、は、ぁっ……! いい、いいっ…ッ…!」
「締め付けるな……随分と」
「だって、あなたが……」
好きだから、と言われ、奥がさらにキュッとすぼまる。
雷が鳴った。
どん、と大きな音がし、どこかに落ちたようだ。
バスルームの照明が消えた。
「あ、はぁあ……ッ」
涼介は自分のペニスを懸命に両手で扱きながら、体の奥へと打ち付けられる文太自身の熱さに、もうとろけてしまいそうだった。
雨がまだ降り続いている。
声も音も、かき消される。
止んでほしくないと思った雨は初めてだ。
文太は心の中で呟き、涼介の中に射精した。
(終わり)
ぽぴーさんのバスルームでHする文涼イラストに触発されてしまいました……。
分厚い雲がかかってきたと思ったら、ゴロゴロと雷鳴が、そしてバケツをひっくり返したような豪雨だ。
このところ夏の雨というと、夕立のような趣のあるものではなく、こういう不意打しかないのが困る。
「雨が降ってきたぞぉっ!」
狭い商店街に、八百屋の息子の声が響く。軒を連ねる家々の窓を閉める音、「早く入りなさい」と庭で遊ぶ子供を急かす母親の声、洗濯物を取り込む、慌てた老婆の姿が豪雨に入り混じる。
文太は東の雨戸だけを閉め、店の明かりを強くした。
こんな雨では止むまで客は来ないだろう。
(降りやんだら割引にしねえと……)
どうせやむのはいつものごとく閉店間際だろう。
割引のシールはまだあっただろうか、と店の商品を片付け、二階に上がりかけた。
「すみません」
若い、男の声がした。
「はい……あぁ、あんたか……」
すわ客かと店に戻ると、店の客ではないが来客が濡れ鼠になっていた。
「こんにちは、藤原さん」
恐らくは拓海を訪ねてきたのだろう、高橋涼介が、頭のてっぺんから足の先までずぶぬれになっていた。
「悪いな、今日は拓海は出かけてんだ」
「そうだったんですか、ハチロクがないからそんな気はしたんですが……」
恐らくはプロジェクトDの件で拓海に用があって来たのだろう。
だがあいにく、拓海は友人立ちと遊ぶからと出かけてしまっていた。
「藤原の携帯は鳴らしてみたんですが返事もなかったんで」
「ああ、悪いな……それよりずぶ濡れじゃねえか。ほら、上がって」
「あ、でも」
「そのままじゃ風邪ひくだろ」
「すみません、じゃあ」
ずぶ濡れの涼介をそのまま返すのも悪い気がして、文太は彼を家に上げた。
時間は、と尋ねると、今日は大丈夫ですと返事が返ってきて安心した。
タオルで拭いてなんとなかる濡れ具合ではなかった。だから、風呂を使うように言った。
その間に服は乾かしておくから、と。
風呂場から水音がしている。
(ったく、仕方ねえなあうちの拓海は……)
休みの日なのだから涼介から連絡があるのはわかりきっているのに、どうしてすぐ連絡が取れるようにしておかないのか。まだまだ学生気分が抜けきっていないようだ。
居間にアイロン台を出して涼介の服をプレスしていく。
シャツもスラックスも、とりあえず半分以上は乾いた。
ハンガーにつるして鴨居に掛け、それから扇風機をそちらに向けた。少し時間はかかるが、乾燥機のないこの家ではこれが最善の方法だ。
「上がったらなんか着てもらうか……」
拓海の服も自分の服もサイズは合わなさそうだが、ジャージやTシャツくらいなら、服が乾く短い間なら我慢してもらえるだろうと思った。
(いや……それにしたって)
アイロンのスイッチを切って、はたと気づいた。
随分といいタイミングだと。
(……まさか、な)
一瞬頭をよぎった推理に、苦笑する。幾らなんでも、自分を過大評価しすぎだろうと。
手持ちの服の中で一番サイズが大きいTシャツとハーフパンツを手に、文太はバスルームの前に立った。
「高橋君、とりあえず服が乾くまでの着替えを……」
返事がない。
「高橋君」
もう一度声をかけたが、やはり、ない。
文太ははっとした。
水音がしていない。
体を洗っているような気配も、湯船につかっているようなそれもない。
すわ倒れたか、と慌てて折れ戸を開けると、夏の熱気そのままの湯気が吹き出してきて、その向こうに、涼介がいた。
こちらを向いて、立っていた。
「……返事くらい、してくれよ」
倒れていなかった。
ほっとして思わず文太の顔がほころんだが……さっき頭をよぎった推理が、また、浮かんできた。
涼介は前も隠さず、文太の方を向いて、赤い顔をして立っていた。
「藤原さん」
「……何だ」
「今日、どうして来たか、わかりますか」
「……拓海に用があったんだろう」
「ええ、一応は」
「どうしてそんなことを聞くんだ」
ああ。
さっき頭をよぎった推理は、間違っていなかったのだと文太は確信した。
拓海ではない。
彼は自分に会いに来たのだと。
わざわざ雨の時間を選んで。
そして自分に家に上げてもらうために。
裸になるために。
「オレ、あなたに会いにいたんです……本当は……それで、」
「高橋君、」
「藤原さん、」
涼介が歩んだ。
文太の前に。
濡れた前髪からぼたぼたと滴をたらしながら。
「雨に濡れたら、こうできると思ったんです」
濡れて温まった腕を文太の首に回した涼介は、耳元で、好きです、と言った。
あの推理は間違っていなかったのだ。
涼介の股間は青天井、という言葉がふさわしいほどに勃起していた。
それが文太の腹に押し当てられた。
求められて悪い気がしないのは、自分にもその傾向があるということだ。
折れ戸は再び閉められた。
ただし今度は、文太も服を脱いで、バスルームに入った。
「ずっとこんなんで車ン中で待ってたのか?」
膝の上に載せた涼介のシャフトを握ってやると、涼介は頬を真っ赤にしてこくんとうなずいた。
「今日は、藤原がいないのはわかっていて……でもあなたは店にいると思ったから……」
「雨になるのを待ってた、ってわけか」
「はい……」
強く扱いてやると、涼介は「あ、っ」と艶めいた声で鳴いた。
冷たいタイルに四つん這いにさせた涼介に覆いかぶさり、未知の快楽に怯える蕾を指先で探し当て、ローションを塗り込んでやる。
「ッ、あ、ッ……藤原、さん……」
それだけでもう腹につくほどのシャフトからはぼたぼたと先走りが垂れる。
涼介の若さに苦笑しながらも、文太は、外の雨音が強くなったのを感じた。
「声ならちょっとくらい出したって平気だ。隣のばあさんは耳が遠いし……雨もあの通りだ」
「あ、はい……ッ」
男なんて抱くのは独身の頃以来だと断りを入れ、涼介に後ろから押し入り、抱え込む。
「ひ、ぁぁっ……! 奥っ、奥に…ッ」
いきなり一番奥まで貫かれ、涼介の声が泣きそうなものに変わる。
「ああ、じゃなきゃ気持ちよくなんかねえだろ」
雨音に、二人の声はかき消される。
子供に小水をさせるときのように膝の上で抱えられ、上下に揺さぶられる涼介は、喘ぎとも悲鳴とも判別のつかない声を上げ、そして、来た時と変わらぬずぶ濡れのまま、満足げだった。
「藤原、さんっ……! あぁぅ、あ、は、ぁっ……! いい、いいっ…ッ…!」
「締め付けるな……随分と」
「だって、あなたが……」
好きだから、と言われ、奥がさらにキュッとすぼまる。
雷が鳴った。
どん、と大きな音がし、どこかに落ちたようだ。
バスルームの照明が消えた。
「あ、はぁあ……ッ」
涼介は自分のペニスを懸命に両手で扱きながら、体の奥へと打ち付けられる文太自身の熱さに、もうとろけてしまいそうだった。
雨がまだ降り続いている。
声も音も、かき消される。
止んでほしくないと思った雨は初めてだ。
文太は心の中で呟き、涼介の中に射精した。
(終わり)
ぽぴーさんのバスルームでHする文涼イラストに触発されてしまいました……。
PR
この記事にコメントする