水曜日。
歯医者に行きました。知覚過敏の治療に。なぜかタダでした。なぜ。
会社で愛用の4色ボールペンの黒インクを使い切ってしまい、替え芯を買い忘れている事実にorz
ボールペンの替え芯を使うことを覚えたのは社会人になってからでした。
アマゾンから発送しましたメールが！　やったーー。


書きかけている色々なものがあるのですが、なぜか微妙なところで止まっているものも。
ほっとくと永遠に日の目をみなさそうなので、自分的覚書にと書きかけのまま↓にUPしてしまいました。
京拓。個人的にはじっくり長編でくっつけたいカップリングです。


京一にはチャラい弟かショタな弟が居るといいです。

 しらないひと（京拓）
 
職場の飲み会で、慣れない酒をしこたま飲まされた日だ。
拓海のグラスには先輩や上司からの、断ることの出来ない酒が次々と注がれた。
二次会は何とか免れ帰宅組になったものの、酔いがすっかり廻って足下がおぼつかない。タクシーを呼ぼうにも給料日前で懐は寂しい。こんな日に限って地元の渋川ではなく、わざわざ高崎まで出て来ていたのだ。文太に電話をしてみたが、呑みに出かけているのか電話には出なかった。
酔いの廻った拓海の頭でも、財布の中身と渋川までのタクシー代を天秤に掛けるくらいのことは出来た。文太もタクシーもダメなら、バスだ。
今ならまだバスがある筈だ。バス停まで行けばいいだろう、とよく知らない繁華街を、よく分からないままに歩いていた。今になって思い出しても、どの辺りだったかが今ひとつはっきりしない。
ふと、左手に薄暗く細い路地が続いているのに気付いた。そしてその通りの向うを路線バスが横切った。この細い路地を通ってあの通りに行けばバスに乗れる、拓海はそう思い、その路地に入ろうとした。
が、拓海の身体は突然、後ろからの力によって、本人の意志に反し動かなくなった。
『そっち、行くのか』
動かなくなった、と思った瞬間、耳元で低い声がした。
聞いたことのある声だ。
『あれ……』
視線を下にやると、拓海の腹に、太く逞しい腕が後ろから回されていた。なるほど、だから動けないのか、と拓海は納得した。
『え、』
振り返ると、白いタオルを頭に巻いた、見覚えのある顔が拓海の真後ろにあった。
『きょーいち……さん？』拓海は首をかしげた。
エンペラーの須藤京一、だった。
拓海の腹に回された太い腕も須藤の腕で、拓海は須藤に後ろから抱き止められた形になっていたのだ。
『お前、そっちに行くのか』
須藤に重ねて尋ねられ、拓海は『はぁ』と、いつものようなやる気のない返事をした。確か、した筈だ。
『……お前、そういう趣味でもあるのか？』
須藤が眉をひそめた。
『シュミ、ですか……？』
言われた言葉の意味が拓海には分からなかった。須藤は拓海を抱き止めたまま、そういう趣味、の意味をくいっと顎で示した。
須藤が顎で示した方向には、件の細い路地を、友人と言うには不自然なほど寄り添って歩く、中年の男同士の姿があった。他にも電信柱の影では若い男同士が互いの腰に手を回して向かい合っていた。
『……なんですか、あれ』
拓海にはその意味が分からなかった。
『わからねぇなら近寄るな。喰われちまうぞ、お前』
『……喰われる？』
惚けた顔で、拓海は首をかしげた。
『喰われるって、何ですか、きょーいちさん』
『……わかってねぇなら尚更近づくな。いいか、喰われるっていうのはな……』
 
 
――こういうことだ。
 
 
 
次の瞬間、拓海は唇を須藤に奪われた。
 
 
 
気がついた時、拓海は渋川の自宅の前に座り込んでいた。
遠ざかっていく、特徴あるエキゾースト。あれはエボⅢの……とぼんやりした頭で思った。
「あ、そうだ、オレ……」
次第にクリアになっていく頭。散らばってた、滲んでいた記憶が確かなものになっていく。
「オレ、なんでここに……って、……えーと……そうだ」
拓海は記憶を手前からさかのぼっていった。
「京一さんのエボⅢでここまで送ってもらって……」
拓海をここまで送ってくれたのは、須藤の愛車・エボⅢだった。
ソルマックでも飲んどけ、と別れ際に言われた気がする。
「京一さんとは……高崎で会って」
繁華街で、薄暗い道を行こうとしたら須藤に後ろから腕を回されて。
「……それから……」
煙草の味のする、須藤の唇。
「キス……されて……！！」
それを思い出した瞬間、拓海の酔いはいっぺんに吹っ飛んでしまった。
「～～～ッ！！」
 
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ハッテンバです。 

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